◆講師:関 隆志先生 東北大学CYRICサイクトロン核医学研究部 研究教授
講演タイトル:【Evidence Based Clinical Acupuncture】
『経穴を刺激するとどのような効果があるかは、書籍によって異同がありますが、何が正しいのかは誰にも分からないのが現状です。ある経穴に鍼治療をしたときの動脈の血流量を測定し、そのエビデンスを伝統的に言われてきた経穴の効能と合わせて検討することで、経穴の効能をさぐる研究手法をご紹介します。
また、大規模な鍼治療研究で、腰痛、変形性膝関節症、緊張性頭痛、片頭痛の患者に経穴ではないところに針先を浅く刺すだけの刺激をおこなうと、鍼治療をしなかった群に較べて有意に痛みが軽減することを示しました。経穴以前に皮膚そのものがこのような効果を出すことを示唆するものです。
こうした鍼灸治療研究の最前線をご紹介します。』
の言葉で始まった関先生の話をきいてきました。
いろいろな研究結果のなかで印象にのこった話を少しだけかきとめておきます。
太衝というツボは手足の冷え、目の疾患、イライラを改善するツボとして有名ですが、その実験結果は手の血流量、目の血流量は増え、腸の血流量は減るというもの。
足三里というツボは食欲不振、排便障害などを改善して元気を出すツボとして有名ですが、その実験結果は、腕の血流量は減り、腸の血流量は増える
排尿障害に効果のあると言われている太谿と太衝を比べてみると、太谿は腎動脈の血流量が増え、太衝は葉間動脈の血流量が増えると言う結果がでました。
ツボ刺激で離れたところの血流量の変化をおこさせることは、間違いようですね、治療に応用していくにはまだまだ、勉強です。
〜スタッフ紙岡〜